診療科・部門の紹介
前回歯周病と全身との関わりについて述べましたが、更に、女性の方が歯周病に罹りやすく悪化しやすいということを今回お話しましょう。
女性のお口の健康状態も、身体同様、生理・思春期・妊娠期・更年期の4つの変革期に大きく左右されます。
生理・思春期・妊娠期には、女性ホルモンの分泌量の増加が起こり、これに呼応してお口の中(口腔内)では、女性ホルモンが大好きな歯周病菌の一種が異常増殖し、また抹消血管の拡張が起こります。このため、歯ぐきから出血しやすくなったり、歯ぐきの状態が悪くなるのです。
また、更年期には、逆に女性ホルモンの分泌量の低下が起こることにより、体調の悪化、身体の抵抗力の低下が起こります。このため、通常悪さをしない歯周病菌の量でも歯ぐきの抵抗力も低下しているため、歯周病の悪化を引き起こすのです。
そして、4つの変革期の中でも妊娠期には、食事回数の増加やつわりなどにより、口腔内環境の悪化や口腔清掃が困難となることが多いので要注意です。
以上、女性の方が歯周病に罹りやすく悪化する危険度が高いことがおわかり頂けたでしょうか。
しかし、主原因は歯周病菌の量で、対処方法は、適切な口腔ケアです。
女性はお口の中の方がデリケートなので、体の変革期には特に丁寧に歯磨きをするように心がけてください。
そして、この時期の定期検診もお忘れなく。